おはようございます。
辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です。
今日は、私が骨盤臓器脱手術日の朝に欠かさず行っている、イメージトレーニングについてお話いたします。
骨盤臓器脱手術のフローチャートです・・・
↑これらは、私の骨盤臓器脱手術イメージトレーニングで用いられている、フローチャートの一部です(ぼかしています)。
現在8枚のフローチャートがあります。
最初は5枚でした。
その後、術式の進化とともに増えたり減ったりして、現在は8枚に落ち着いています。
このフローチャートの内容は、日々アップデートを続けています。
私のこれまでの1400例超の子宮脱膀胱瘤の手術経験をベースに、考え抜いて検討を重ねて、生き残っている精鋭たちです。
(もちろん、直腸瘤手術や直腸脱手術のバージョンもありますよ)
骨盤臓器脱手術日の朝に、イメトレをしています。
イメトレは、骨盤臓器脱手術日の朝に、欠かさず行っています。
朝食を取りながら、一人で部屋にこもってやってます(暗いですね・・・)
No.1~No.8すべて、最初から最後まで、手術の映像をイメージしながら進めていきます。
途中でひっかかったら、そのフローチャートは最初からやり直しです。
わたくしこれまでに、子宮脱膀胱瘤の手術を1400例以上手がけています。
だからこのフローチャートの内容は、もちろん全部覚えています。
でもイメトレを欠かすと、自信を持って手術にのぞめなくなりそうなので、この習慣はいまだに続けています。
なぜイメージトレーニングが必要か?
イメトレ無しで手術にのぞんだ場合
なぜイメトレが必要なのか?
仮に、イメトレなしで手術にのぞんだとしましょうか。
そしてもし手術中に、想定外の事態が起こったとします。
「剥離できない」とか、「組織が弱くて使えそうにない」とか、そんな事態がときどきあるんです。
イメトレしてなかったら、その場で対応を考えるしかありません。
想定外の事態が起こっているんだから、気が動転していることもあるでしょう。
そしてその場で即興で考えた手は、最善手でないことがままあるんです。
手術が終わってから「ああしとけばよかった・・・」と悔いても遅いんです。
イメトレしてから手術にのぞんだ場合
一方、十分なイメトレをした上で手術にのぞんだ場合はどうでしょう。
手術中に起こりうる、ありとあらゆる事態について、その対処法を頭に叩き込んでいます。
その対処法は、経験とともにアップデートされ、事前に十分検討を重ねた、現時点で最善のものです。
だからもし、普通でない局面に遭遇しても、ほぼすべてが想定内です。
「ほほう・・・そう来ましたか」という感じです。
そして「だったらこうしよう」と、即座に手を打ちます。
フローチャートは日々進化していきます。
フローチャートは、現状で完成したとは考えていません。
フローチャートにない事態に遭遇するようであれば、即座に改訂を加えていくんです。
この作業は、現役で骨盤臓器脱手術を続けている間は、ずっと続いていくでしょう。
以上、骨盤臓器脱手術の際に、イメトレを行っているというお話でした。
赤木一成 辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科