朝回診の風景:骨盤臓器脱手術を受けた患者さんを診察します。

おはようございます。

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成と申します。

2010年に骨盤臓器脱診療に本腰を入れて以来、10年が経過しました。

 

わたくし大体、週に6~7人の骨盤臓器脱手術を行っています。

そして朝回診でも、6~7人の患者さんを診察しています。

 

この朝回診の風景を、描写してみましょう。

 

朝の回診は8時30分から始めます。効率よく行っていきます。

骨盤臓器脱(子宮脱・膀胱瘤・直腸瘤・直腸脱など)の病棟は6階にあります。

 

8時半に病棟に行くと、その日の担当の看護師さんが、回診についてくれます。

 

回診は8時半にスタートです。

ほんとはもう少し早くから始めたいんですけど、患者さんの朝食時間が8時30分までなんです。

そして朝9時から手術がはじまるので、回診に使える時間は30分間です。

だから回診はできるだけ効率よく行います。

 

前日に手術を受けた、回復室の患者さんを診察します。

前日に手術を受けた患者さんが、回復室で休んでいるので、まずはここから回診に行きます。

 

止血ガーゼを抜いて、生活注意事項の説明を行います。

 

この診察で、経過が問題ないことを確認して、患者さんは自分の部屋に戻ります。

 

続いて大部屋と個室の回診です。ポイントは決まっています。

大部屋と個室の回診では、やることはパターン化しています。

 

「痛みはどうか」「便秘してないか」「おしっこはちゃんと出てるか」。

術後のポイントはこの三点なので、これらを注意しています。

 

①痛みについて

手術翌日は、多少の痛みを訴える人が多いです。

この痛みは、痛み止めを飲めば楽になります。

術後4~5日たって、退院する頃には、ほとんど軽快します。

 

②便秘について

術後は環境が変わって、寝ている時間が多くなるので、どうしても便秘気味になる人が多いです。

術後は全員に下剤を処方しているのですが、それでも便秘になる人には下剤を追加しています。

 

③排尿について

術後は4日間、おしっこの管を留置します。

これは膀胱を安静に保つのが目的です。

 

この管が抜けた後、しばらく排尿が落ち着かない人もいます。

「トイレにしょっちゅう行きたい感じがする」とか、そんな感じです。

これは手術によって膀胱が正常の位置に戻ることで、膀胱が刺激を受けることが原因です。

ほとんどは時間とともに落ち着いてきます。

 

回診はバタバタしてます。みんな元気なので、ベッドにいないこともよくあります(笑)

 

回診は早歩きで移動しています。

バタバタしてるので、ついてくる看護師さんは大変かもしれませんね。

でも看護師さんは手慣れているので、必要な器具や薬はすぐ出てきて、効率よく進みます。

 

骨盤臓器脱手術を受けた患者さんは、元気が良い方が多くて、回診時にベッドにいないこともよくあります。

トイレに行ってたり、どこかでおしゃべりしていることが多いですね。

わざわざ他の患者さんの部屋に行っておしゃべりしてる人も、たまにいます(笑)

 

みなさんの診察が終わったら、お薬とかの指示をスタッフに出して、朝の回診は終了です。

 

30分で終わることができました。これから手術に行きます・・・

 

赤木一成 辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科