骨盤臓器脱(子宮脱・膀胱瘤) 手術を受けます。退院後の通院はどうなるの?

 

わたし、4日前に子宮脱の手術を受けて、そろそろ退院の予定です。

退院後の通院はどんな感じになるのかしら。

教えてくれますか?

 

こんな疑問に答えます。

 

 

おはようございます。

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です。

 

今回は、骨盤臓器脱手術を受けた方の「退院後の通院」の様子について解説いたします。

 

退院後初回の外来受診は、3週間後です。この時期はときどき訴えがあります。

 

退院後にあんまり早く来院しても、変化が無いからやることがありません。

逆にあんまり遅く来てもらうのは、患者さんが不安になります。

いろいろ試してみて、「3週間後くらいが手頃かなー」という感じに落ち着いて、現在に至ります。

 

 

 

ここで私が「調子はどうですか?」と聞きます。

 

調子いいです(←よかったですね)

一番多い返事が、「調子いいです」というものです。

よかったですね。

 

おりものが出る(←自然に止まります)

次に多いのが「まだおりものが出る・・・」「違和感がある・・・」などの訴えです。

これらはいずれも、時間とともに落ち着いてきます。

だいたい2か月が目安です。

 

まだ痛みがある(←いずれ必ず良くなります)

「痛い」という訴えは、あんまりないですね。

骨盤臓器脱手術後の痛みは、退院する頃にはだいたい問題なくなるということです。

 

排尿が落ち着かない(←いずれ落ち着いてきます)

ときどきあるのが、「排尿が落ち着かない・・・」という訴えです。

おしっこの検査をして、飲み薬を出したり、そのまま経過をみたりします。

手術で膀胱が刺激を受けて、膀胱が「びっくり」してるんですね。

これは時間とともに、落ち着いてきます。

 

尿が漏れやすくなった(←骨盤底筋体操を開始します)

もうひとつ、ときどきあるのが、「尿が漏れやすくなった」というものです。

手術で膀胱が挙上されて、尿道の圧迫が取れて、尿が漏れやすくなるんですね。

手術の合併症じゃなくって、「もともと尿道の締まりがゆるかった」ということです。

まず骨盤底筋体操を開始していただきます。

 

二回目の外来受診は、3か月後です。ここはほとんど何も起こりません。

 

二回目の外来は、前回の受診から3か月後です。

この二回目外来の目的は、手術の傷がちゃんと治ったことの確認です。

 

実はこの二回目の外来、ほぼ何も起こりません。

ひとつやることと言えば、前回「尿が漏れやすくなった」と言う人に、骨盤底筋体操の成果を教えてもらうことですね。

多くの人では、尿漏れが改善しているので、骨盤底筋体操を継続してもらいます。

尿漏れが改善しない人は、次の手を打つかどうか(尿失禁の手術)、考えていきます。

 

三回目の外来受診は、1年後です。こちらも最近は、ほぼ何も起こりません。

 

次の受診は、前回から1年後です。

 

「再発」や「メッシュ露出」といった、中長期のトラブルが明らかとなってくるのは、この頃です。

 

ただし最近では、再発もメッシュ露出も、ほとんど起こらなくなりました。

技術が進化して、さらにメッシュを使う頻度も減ったためです。

 

私「うん、順調ですねー(笑)」

患者さん「わかりましたー(笑)」で終わることが大半です。

 

赤木一成 辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科