Q:診察に予約は必要ですか?
なるべく待ち時間を短くするために、われわれの施設では原則として予約制をとっております。
電話で予約を取ってお越しください。
予約専用電話(おすすめ):04-7137-6283 (受付時間13:00~16:00)
辻仲病院柏の葉:04-7137-3737
Q:骨盤臓器脱専門外来を受診するのは勇気がいります…
当院では羞恥心を十分に配慮しております。
診察をお待ちになる時には、女性専用の中待合室でお待ちいただきます。
また診察は、完全個室のプライバシーが保たれた診察室で行われます。
診察は医師1名と女性看護師1~2名で行います。他の人が入ってくることはありません。
Q:骨盤臓器脱専門外来を受診した人は、全員手術が必要となるの?
骨盤臓器脱は良性疾患ですので、手術を行うかどうかはあくまでも本人の希望を尊重します。
骨盤臓器脱の治療には、手術・リング(ペッサリー)・骨盤底筋体操などがあるので、これらの選択肢を提示して、本人に治療法を決めていただく方針としています。
Q:ペッサリー治療をずっと続けていくことはできますか?
ペッサリーは合う人と合わない人に分かれます。
ペッサリー治療を選択しても、すぐ脱落したり、痛みが起こったり、ただれたりといったトラブルが起こることはよくあります。
このようなトラブルが起こらない人であっても、ペッサリーを入れている間は3か月おきの通院が必要となります。
元気なうちはいいですが、80歳90歳まで一生定期的に通院するというのは現実的ではありません。
ですからペッサリーは、何らかの事情で手術を受けられない人に対する、一時的な治療だと考えた方がいいと思います。
Q:辻仲病院および医師の手術実績はどれくらいありますか?
当院で行われている骨盤臓器脱(子宮脱・直腸脱・膀胱瘤・直腸瘤・膣脱など)手術の件数は年間400例を超えています。
この膨大な数の手術を、少数の医師で担当するため、医師一人あたりの経験値も高くなります。
たとえば私(赤木)の場合だと、これらの骨盤臓器脱手術を年250例ほど行っており、これに直腸肛門疾患や尿失禁の手術も合わせると、年間300例近くに達します。
「ほとんど毎日のように手術している」という感じでしょうか。
Q:手術は健康保険が使えますか?
骨盤臓器脱の手術や検査はすべて保険診療で行っております。
各種保険証が使用できます。
Q:手術では必ずメッシュを使うの? 体内にメッシュを入れても大丈夫?
「必ずメッシュを用いる」とか、「メッシュは使わない」とか、医師の間にもいろんな考え方があります。
われわれの施設では、メッシュは「必要と判断した場合のみ、最小限に使用する」方針としています。
骨盤臓器脱の手術でメッシュを使うのは、「メッシュを使った方が明らかに成績が良い」と判断した場合です。
たとえば「大きく脱出する骨盤臓器脱」とか、「メッシュを使わない手術後の再発」を治す場合には、メッシュを使った方が明らかに成績が良いので、このような場合にはメッシュを使う方針としています。
いっぽうメッシュを使わなくても再発する可能性が低い状況(中程度の骨盤臓器脱など)では、わざわざメッシュを使う必要はないので、メッシュを使わずに治す方針としています。
メッシュを使用することによるトラブルとしては、「膣壁メッシュ露出」および「メッシュ感染」の二つがあります。
このうち「膣壁メッシュ露出」の発生率は約2%であり、起こったとしても対処は難しくありません。また「メッシュ感染」はいまだ発生した人はいません。
Q:入院期間は? 必ず予定通り退院できる?
入院期間は一週間です。
遠方にお住まいの方では、これより若干長目の入院をおすすめします。
「100%の人が必ず予定どおり退院できる」と約束できる病院は全国どこにも存在しませんが、ここ数年で私の手術を受けた方のうち99%は、大きなトラブルなくほぼ予定通り退院できています。
Q:子宮脱に直腸肛門疾患(直腸脱や痔核)を合併してたら両方同時に治せる?
われわれの施設は大腸肛門の専門病院でもあるので、子宮脱に直腸肛門疾患(直腸脱や痔核)を合併しているような場合に、同時に治療できるのが強みです。
子宮脱や膀胱瘤の手術を受ける患者さんのうち約2割の方は、直腸肛門疾患(直腸脱や痔核)を合併しています。
このような場合には、ほとんどのケースでは、両方同時に問題なく治すことができています。
わざわざ複数の病院を受診して、二回に分けて手術を受ける必要はありません。
Q:麻酔が心配です・・・
当院の骨盤臓器脱手術は、プロの麻酔科専門医が麻酔を担当しています。
きわめて安全性が高いので、安心してお任せして大丈夫です。
Q:骨盤臓器脱の手術は痛いですか?
手術中は麻酔が効いているので、痛みを感じることはありません。
術後の痛みは個人差がありますが、痛み止めを飲むだけで十分対応でき、退院する頃にはほとんど問題ないレベルまで軽快します。
骨盤臓器脱の手術は、膣壁を数センチ切開するだけで行うことができます。また臀部の皮膚に5mm程度の小さな傷ができます。
膣壁は痛みを感じない場所であり、臀部の傷もほんの小さなものなので、それほど痛みを恐れる必要はないと言っていいと思います。
また術後しばらくのあいだ腰痛を感じる方がいますが、これは手術時の体位が原因であり、数日で消失します。
Q:骨盤臓器脱の手術後に、目立つ傷ができますか?
上で説明したように、骨盤臓器脱の手術は、膣壁の数センチの傷と、臀部の5mm程度の傷だけで行うことができます。
膣壁の数センチの傷は、骨盤臓器脱が治って膣壁が正常の位置に引っ込んでしまえば、外からは見えなくなります。
また臀部の傷は5mm程度のごく小さいものなので、治ってしまえばほとんど見えなくなってしまいます。
傷が完治してしまえば、他人があなたの裸を見ても、手術したことなんてまったく分からないということです。
みなさん元気に温泉やプールを楽しんでおられますよ。
Q:術後のケアはどうすればいいですか?
術後に気を付けることは、「便秘しないこと」と「腹圧をかけないこと」の二点です。
便秘だと、どうしても排便時に強くいきんでしまうので、術後しばらくの間下剤を処方します。
また術後二か月ほどの間は、「激しい運動」「力仕事」「重いものを持つこと」「長時間の立ち仕事」「自転車やバイクに乗ること」などはひかえていただく必要があります(家事・買い物・軽作業程度であれば問題ありません)
Q:術後の食事について教えてください。
便秘さえ気をつければ、基本的に何を食べても問題ありません。
作成:赤木一成(辻仲病院柏の葉 医師)