ここで一句。
千葉なのに いちいちお洒落 柏の葉
おはようございます。
辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の、赤木一成です。
今回は「悩ましい訴え」について、お話させていただきます。
よろしければ、お付き合いください。
骨盤臓器脱手術で克服できてない「悩ましい訴え」とはなにか。
それは・・・
「違和感」であります。
「重苦しい」とか「すっきりしない」とか「張る感じ」とかもそうですね。
なんで悩ましいかと言いますと、理由が3つほどありまして・・・
①まずこの違和感って、「患者さんがどう感じるか」がすべてで
医師が診察や検査しても、客観的に確認しようが無い・・・というのがひとつ。
②そして、順調に手術を終え、問題なく経過し退院した人であっても、あとで違和感を訴えてくることがあります。
確認しようがないし、違和感が生じる理由もわからないから、対策の立てようも無いということです。
③さらに「痛み」とかと違って、軽快させる薬とかもありません。
まあたいていの場合、時間とともになじんできて、違和感は消失してくるんですけどね。
この訴えに対してどうするか。そして患者さんの反応パターン。
患者さんが術後に違和感を訴えてきた場合
まず診察して、経過が問題ないことを確認したら・・・
「経過は問題ありません。順調ですよ」
「時間とともに落ち着いてくるはずだから、様子を見ましょう」
と言うしかありません。
そして、私が↑こう伝えた場合、患者さんの反応は2パターンに分かれます。
納得するタイプ
「あーよかった。先生がそう言うなら安心」とか言って、納得して帰っていくタイプ。
「サッパリ系」とか「おおらか系」(?)の患者さんは、こういう展開になります。
とはいえ、そもそもこんな人って、あんまり違和感とか訴えてこないんですけどね・・・
納得しないタイプ
いっぽう
「経過が問題ないなら、なんで違和感があるの?」みたいに、もっと納得しなくなる人もいるんですよね。
ぶっちゃけ、「なんでと聞かれても分からない」というのが本音です・・・
そもそも、手術に代表される医療行為の宿命として・・・
「人体に起こる無数の現象や症状を、人間が完全にコントロールするのは不可能」
というものがあります。
そして「違和感」って
「人間(ここでは術者)がコントロールできないこと」の最たるものであります。
違和感を自在にコントロールできる域まで極められたらいいんですけど・・・
そこまでいったら「魔法」の領域っぽくなるから、まあ難しいですよねえ。
じっさい手術やってる時には、そこまで考えてる余裕は無くって・・・
「手術を安全に終えること」「一発で治すこと」これだけで精いっぱいなんです。
私に限らず、他の外科系医師も、そんなもんじゃないかと思います。
赤木一成
辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科