子宮脱と直腸脱どっちが辛い?料理と手術の共通点。今週の手術は6例

↑病院玄関です・・・

 

おはようございます。

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です。

 

週末なので、「一週間の骨盤臓器脱手術記録」を書きます。

これはリアルタイムの記録ではありません。数週間前の日常を描写しています。

 

骨盤臓器脱手術を6例行いました。

この週は、骨盤臓器脱手術を6例行いました。

 

このうち、↑子宮脱+膀胱瘤の手術が4例でした。

 

 

また、↑子宮脱+直腸脱の手術を2例行いました。

 

今年に入ってから、なぜか子宮脱+直腸脱の手術が多いです。

 

この手術、いつもは年間10~15例程度なんですけど、今年は1月2月だけで8例手がけています。

たぶん全国最多ペースではないかと・・・

 

子宮脱と直腸脱って、どっちがつらいの?

 

↑こんな疑問を抱く方がいらっしゃるかもしれませんね。

 

これは明らかに、直腸脱の方がつらいです。

 

子宮脱+直腸脱の場合、多くの人は両方同時の手術を希望されます。

でも「直腸脱はつらいから治したいけど、子宮脱は気にならないからなにもしなくていい」という方も多いんですよね。

 

本人の希望に応じて、どっちでも対応可能ですよ。ご相談ください。

 

せっかく入院して麻酔かけて手術するんだから、両方いっぺんに治したほうがいいと私は思ってますけどね・・・

 

料理の世界って、骨盤臓器脱手術に通じるものがあるんじゃないかと思っています。

 

わたくし時々、料理人の本を読みます。

料理をつくることに興味があるんじゃなくって、料理人の「考え方」とか「仕事への姿勢」に興味があるんです。

 

かつて、「料理の世界って、手術に通じるものがあるんだなあ」と思ったことがあります。

 

たとえば、↓こちら・・・

天婦羅の達人のお言葉です。

引用:幻冬舎

 

「天然の食材は季節や産地によって個体差がある。

気圧によっては油が言うことをきかないこともある。

そして最初に揚げた海老と最後に揚げた海老では油の温度が違う。

これらを克服して揚げ上がりをどれだけ均一にできるかが職人の技術」 

(近藤文夫氏)

 

そして、↓こちら・・・

ご存じ、鮨の達人ですね。

引用:文芸春秋BOOKS

 

「ネタもシャリも気候も体調も、日々異なる。

これをならしてゆき、いつも同じ品質の鮨を提供するのがプロの職人の仕事」

(小野二郎氏)

 

料理も手術も、手を施す対象は、ひとつひとつ異なります。

料理の場合は、食材とか、料理するときの気候とか、さまざまです。

手術の場合も、患者さんの状態とか、病気の状態は、みな異なるわけです。

 

そして料理も手術も、「すべての対象を同じように仕上げる」必要があります。

 

プロの料理人は、つねに同じ品質の料理を提供しなければいけません。

日が変わるごとに、品質がバラバラの料理を提供してたら、それはプロではありません。

 

手術の場合は、患者さん全員を、健康体に戻すことを期待されます。

たとえば骨盤臓器脱手術の場合だと、一人一人の仕上がり(膣の形状)がバラバラだと、これも困りますよね。

 

わたし流に言えば、↓こうなります。

「患者さんの骨盤臓器脱の状態は、みな異なる。

そして患者さんの全身状態も、それぞれ異なっている。

全員を安全に手術して、仕上がりを正常の形態に戻すのが職人の技術」 

 

・・・ということで、料理の世界って、骨盤臓器脱手術に通じるものがあるんじゃないかと思ったんです。

 

こんなこと考えるの、私だけですかね?

 

赤木一成 辻仲病院柏の葉 骨盤臓器脱外科