軽症の直腸瘤であれば、まず薬や生活習慣の改善で治療を行う。
これを「保存的治療」という。
保存的治療は、「内服薬による治療」および「生活習慣の改善」の二本立てで行う。
■内服薬による治療
緩下剤や食物繊維の作用を持つ薬
■生活習慣の改善
強くいきむのを避ける。
食物繊維を摂取する。
直腸瘤の治療(保存的治療):解説
排便造影検査などを行い、直腸瘤の診断をつけたら、次は治療を開始します。
重症の直腸瘤で、排便時に頻繁に膣を圧迫していたり、排便造影で直腸瘤のサイズが大きいような場合には、薬で治る可能性は低いため手術をお勧めしています。
いっぽう軽症の直腸瘤であれば、まず薬や生活習慣の改善で治療を行うことになります。これを「保存的治療」といいます。
■薬の使い方
緩下剤(マグラックスや酸化マグネシウム)
便を軟らかくして、排便を楽にする作用がある。
食物繊維の作用を持つ薬(コロネル・ポリフルなど)
便の容量が増し、排便しやすくなる。
レシカルボン坐薬
便が出口まで来ているのに出ないときに用いる。
週2~3回程度、定期的に使用して排便習慣をつける方法も有効。
効果は人によって異なる。
■生活上の注意
排便時に強くいきむのを避ける。
食物繊維を摂取する。
作成:赤木一成(辻仲病院柏の葉 医師)