おはようございます。
脱クリニック・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です。
今回は、「骨盤臓器脱手術で体内に留置される異物」のお話をさせていただきます。
骨盤臓器脱手術で使われる「異物」って、一般的には「メッシュ」のことを指します。
もっとも多い要望「メッシュを使わない手術を受けたい」
脱クリニックを受診される患者さんから、もっとも多くいただく要望は・・・
「メッシュを使わない手術を受けたい」で、あります。

はい。大丈夫ですよ。
経腟手術であれば、ここ数年、まったくメッシュを使わずに治すことができています。

↑これは、かつて私が骨盤臓器脱センター長を務めていた病院(辻仲病院柏の葉)で、行われてきた骨盤臓器脱手術です。
これらは大きく、「メッシュを使う手術」と「使わない手術」に分けられます。
メッシュを使う手術
このうち、体内にメッシュ(プラスチック製のシート)を留置するのは・・・
②TVM手術
③腹腔鏡下仙骨膣固定術
の二つです。

↑②TVM手術(経腟メッシュ手術)では、このような形状のメッシュを、体内に留置します。
(ただしTVM手術は、後述する「①メッシュ無し子宮温存手術」に取って代わられ、当院では淘汰された)

↑③腹腔鏡下仙骨膣固定術では、このようなY字型のメッシュを、体内に留置します。
メッシュを使わない手術
メッシュを使わない手術には・・・
①メッシュ無し子宮温存手術
④マンチェスター手術
⑤従来法
⑥膣閉鎖術
の4つがあります(このうち⑤従来法と⑥膣閉鎖術は、時代とともに淘汰された)

↑①メッシュ無し子宮温存手術では
非吸収糸(青)で、子宮を靭帯に固定して・・・
吸収糸(緑)で、膀胱瘤を縫い縮める&膣壁を縫合する
という操作を行います。
傷が治癒するころには、吸収糸は消失し、体内に残るのは数本の非吸収糸だけとなります。

↑④マンチェスター手術も、上記と同じような感じで・・・
治癒時に体内に残るのは、数本の非吸収糸(赤)だけとなります。
さすがに「糸」だけは、体内に残ります・・・(笑)

かつて、とあるスタッフから
「ぜんぶ吸収糸で手術できないの?」って、聞かれたことがあるんですケレドモ・・・

非吸収糸は、「重い子宮を靭帯に固定する」という、大事な役目を担ってるんだから・・・
この糸が溶けて消えたら、骨盤臓器脱が再発するじゃありませんか(笑)
さすがに、「体内に残す異物をまったくゼロにしたい」というのは、無理ということですね。
非吸収糸が原因で感染を起こしたケースは、これまで無いので(参考)・・・
これでヨシとしてくださいな(笑)
脱クリニック 赤木一成