女性の脱肛(痔核)まとめ
脱肛(痔核)は、女性の肛門疾患(痔核・裂肛・痔ろう)の中で、圧倒的多数を占めます。
初期の痔核は「出血」が主な症状ですが、進行してくると「脱出」してくるようになります。
最初は排便時に脱出するだけ(排便後に自然に戻る)ですが・・・
進行すると、指で押し込まないと戻らなくなり、
さらに進行すると、脱出したままになります。
治療は大きく分けて、4種類があります。
①薬による治療(軟膏や坐薬)
②止血を止める注射(パオスクレ―)
③脱出を治す注射(ジオン硬化療法)
④手術
①薬による治療(軟膏や坐薬)
痔核の「出血」が主な症状であれば、まず薬による治療(軟膏や坐薬)が行われます。
出血にはある程度有効ですが、痔核の「脱出」には効果がありません。
②止血を止める注射(パオスクレ―)
痔核から明らかに「出血」している場合には、止血注射(パオスクレ―)が行われます。
これは外来診察中に簡単に行える処置であり、高い止血効果が期待できます。
ただし痔核の「脱出」には効果がありません。
③脱出を治す注射(ジオン硬化療法)
「脱出」する痔核に対しては、「ジオン(ALTA)」という注射薬を用いた硬化療法が行われます。
止血効果があるのは、パオスクレ―と同じなのですが、こちらは痔核の「脱出」にも効果があります。
侵襲(ダメージ)が小さく、日帰りで行えるので、近年急速に普及してきた治療法です。
痔核には「ジオンが向くタイプ」と「向かないタイプ」があるので、診察してタイプを判断します。
ジオン硬化療法については、こちらも参照なさってください。
・ジオン(ALTA)注による治療を受けられる患者さんへ
・ジオン(ALTA)注による日帰り治療を受けられる患者さんへ
④手術
痔核を手術で切り取る方法です。
あらゆるタイプの痔核に対応でき、もっとも効果が高い治療法です。
ただし切ったり縫ったりする必要があるので、手術の侵襲が大きくなり、出血や痛みのリスクも高くなります。
よって痔核の手術は、原則入院でおすすめしています。