おはようございます。
辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科の赤木一成です。
毎日のように、骨盤臓器脱の手術に明け暮れています。
今日は小ネタです。よろしければお付き合いください・・・
わたくし、骨盤臓器脱の手術動画を見るのが趣味なんです。
突然ですが、わたくし手術動画を見るのが趣味なんです。
もちろん骨盤臓器脱(子宮脱とか膀胱瘤)の手術動画が中心ですが、ほかにも直腸脱や痔核の手術動画も見ています。
最近ではYouTubeに手術動画がたくさんアップされてるので、いろんな動画を見て勉強して(楽しんで?)います。
術者の力量には明らかな差があります。
たくさん見比べていくと分かるんですが、術者の力量には明らかな差があります。
「これ素晴らしい。お気に入りに追加!」という術者もいるし、
「うーん・・・もう二度と見なくていいかな(心の声)」という術者もいるわけです。
先進国の有名病院のほうが手術がうまいのかというと、別にそんなことないんです。
アメリカの有名病院の手術動画でも、「うーん・・・」は多々あります。
いっぽう、東南アジアとか南アジアとかの手術動画に、「お気に入り追加!」が結構あるんです。
(偉そうに語って恐縮です。10年後に見返すと、また違った感想になるのかもしれません)
手術の技量って、国とか病院とかの医療レベルより、術者個人の能力に強く依存するのかもしれません。
どんな手術が「上手い」と感じるのか。
どんな動画が「上手い」と感じるかというと、結局この3点に集約されるような気がします。
①視野がいい。
②トラクションが効いている。
③そして適切な層を正確に剥離できている。
ちなみに「トラクションが効いている」とは、適切に牽引されて組織に緊張がかかり、切りやすくなった状態のことです。
逆に言うと、「視野が悪くて、トラクションが効いてなくて、どの層を切っているのか分かりにくい手術」は、良くないということになります。
ほかにも「迷いがなく流れるように進む」とか「操作を確実に一度で決める」とかの要素もあるんですけど、こんなのは動画では編集されて分からなくなってます。
出血してるところとか、迷っているところとかは、当然カットされているんです。
だから術者の真の力量を知るには、手術しているところを直接見るしかないということですね。
赤木一成 辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科