直腸脱の手術(三輪-Gant法)

 

・直腸脱の手術:三輪-Gant法について。

・全身麻酔が不要でもっとも侵襲(ダメージ)が小さい手術なので、高齢でリスクの高い人に行われる。

 

三輪-Gant法の手順を示す。

脱出した直腸の表面をおおっている粘膜をつまんで、つり上げた粘膜に糸を通してしばる
(図では粘膜を糸でしばっているだけのように描かれているが、通常は針糸で粘膜を貫通させてからつまんだ粘膜をしばりあげる)

 

数十か所しばっていく。

たくさんしばっていくと、大仏の頭みたいになってくる。

同時に脱出していた直腸が、少しずつ奥に引っ込んでいく。

 

脱出していた直腸が正常の位置に戻った状態。

 

再発を予防するため、「肛門周囲に特殊な繊維を通して正常の締まりに近づける手術」を同時に行うことが多い(ティールシュ法)

 

直腸脱の手術(三輪-Gant法):解説

ここでは、直腸脱の手術のひとつである「三輪-Gant法」について説明します。

この三輪-Gant法は、日本全国の医療機関でもっとも広く行われている術式です。

いろいろな英語の文献を見る限り、この術式は欧米ではほとんど行われていないようです。私の知る限り、この三輪-Gant法は国内限定の術式です。

 

直腸脱の大半は高齢女性に生じるので、全身麻酔が不要で侵襲(ダメージ)が少ない経肛門手術が選択されることが多くなります。

この経肛門手術の中でもよく行われているのが、この三輪-Gant法とデロルメ法です。

 

三輪-Gant法は粘膜を切ったり縫ったりする必要が無いので、デロルメ法より侵襲(ダメージ)が小さいという利点がありますが、その分再発率がデロルメ法より若干高くなる傾向にあります。

三輪-Gant法とデロルメ法、いずれも一長一短あるので、状況に応じて適切な術式を使い分けるのが良いと考えています。