直腸脱とはなにか

  • 2018年12月27日
  • 2020年7月19日
  • 直腸脱

・直腸脱とは、直腸が肛門から脱出してくる状態のことをいう。

・直腸脱は高齢の女性に多い。

・直腸脱を治すには手術が必要。

 

正常の状態では、直腸は肛門の奥の方に固定されている。

 

図のように直腸が肛門から脱出してくる状態を、直腸脱という。

 

直腸脱とはなにか:解説

直腸脱とは、読んで字のごとく、直腸が肛門から飛び出してくる病気のことをいいます。

脱出する腸の長さはさまざまで、ほんのちょっとしか脱出しない人もいれば、30cmくらい脱出するケースもあります。

直腸脱は高齢の女性によく見られる病気です。

年を取るにつれて、肛門括約筋のしまりがしだいに弱くなってくるのが、直腸脱の発症に大きくかかわっています。

 

直腸脱の方が「脱出する」といって肛門科を受診されても、診察時には脱出していないこともよくあります。

この場合、まれに痔核と間違われることがあるので、注意が必要となります。

 

直腸脱は薬では治らないので、手術が必要となります。

高齢化社会の進行に伴って、直腸脱で悩む方は今後も増えていくと思われます。

 

作成:赤木一成(辻仲病院柏の葉 医師)