子宮脱や直腸脱の手術を受けるときには、大腸内視鏡検査が必須です。

先生、子宮脱とか直腸脱の手術の前日に、かならず大腸内視鏡検査をしますよね。

これって大事なんですか?

やらないとどうなるの?

新人看護師さんの、こんな疑問に答えます。

 

 

我々の施設では、年間約300例の骨盤臓器脱(子宮脱・膀胱瘤直腸瘤)の手術と、年間約100例の直腸脱手術を行っています。

そしてこの全員に、大腸内視鏡検査を受けていただいてます。

 

骨盤臓器脱(子宮脱・膀胱瘤)や直腸脱の手術前に、大腸内視鏡検査は必須です。

これってもう、書いてあるとおりです。

手術前日に大腸内視鏡検査を行うと、ときに大腸がんとか巨大ポリープが見つかることがあるんですね。

わたくし自身、これまで何度も、「やっててよかった・・・」と胸をなでおろしたことがあるんです。

 

大腸がんを見逃して骨盤臓器脱や直腸脱の手術をしてしまうと、あとで困ったことになります。

 

たとえば直腸脱の手術で、↑デロルメ法を行ったとします。

そして術前に大腸内視鏡検査をやらずに、直腸がんを見逃していたらどうなるか。

直腸がんの手術って、直腸をまわりから剥離(はがすこと)して、がんより下側(肛門側)まで進める必要があります。

でも直腸脱の手術をやってしまってるから、ここに癒着が生じています。

うまく剥離できればいいですが、癒着で剥離できなかったら、がんを取り切れない可能性が生じてしまいます。

 

もうひとつ、子宮脱に対して、↑腹腔鏡下仙骨膣固定術を行った場合をあげてみましょうか。

術前に大腸内視鏡検査をやらずに、大腸がんを見逃していたらどうなるか。

 

この手術で、直腸のすぐ近くにメッシュが留置されます。

直腸がうまく剥離できればいいけれど、もしメッシュが直腸にべったりくっついていたら、がんを取り切れない恐れが出てくるんじゃないでしょうか。

 

うーんこれって、あらためて強調しておきたいです。

「骨盤臓器脱や直腸脱の手術を受ける方は、全員大腸内視鏡検査が必須」ということで。

 

赤木一成 辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科